2018年10月、最新の世界パスポートランキングが発表されました。
驚くべきは1位が日本であるということ。
でもこれって実感できますかね。
ネット上では『日本のパスポートは最強』なんて言葉をよく見掛けますが、言葉だけが先行していてそれ自体をよく分かってない人や興味すら持てない人も多いと思います。
個人的には『なぜ最強なの?最強に意味はあるの?』なんて思います。ただ僕自身は世界一周したのでパスポートにはお世話になりました。
今後もガンガン使うはずなので、もう一度パスポートについて学びなおしてみよう。
なぜ日本のパスポートは最強なのか
世界のパスポートランキングはイギリスのコンサルティング会社「ヘンリー&パートナーズ」によって、『ノービザ渡航可能な国や地域の数』を比較して作成されているようです。
このランキングによると日本のパスポートは世界190の国と地域にビザ無入国が可能でその数が世界1位となったようなのです。
つまり日本が1位になった理由は、
ビザなし入国可能な国が多い
ということですね!
この他で個人的に感じた優秀な点としては、
ビザの取りやすさ
出入国時や検問でのチェックの緩さ
などがあると思います。
ビザなし入国可能な国が多い
僕は世界一周で約50ヶ国を訪問しましたが、色々な国で色々な国籍の人と話しているとビザ取りで苦労している人が多かったです。その相手は主に中国人ですが 苦笑
中国人はその国に入国して一番最初にすることが次の国へ行くためのビザ取りらしいです。滞在期限もあるので早めに行動しないと不法滞在になってしまうので大変そうでした。
これと比較すると「日本のパスポートは優秀だなぁ」と、今になって実感できるような気もしますね!
ちなみに2018年10月時点でのパスポートランキングは以下になります。
パスポートランキング
順位 | 国名 | 国数 |
1 | 日本 | 190 |
2 | シンガポール | 189 |
3 | ドイツ
フランス 韓国 |
188 |
4 | デンマーク
フィンランド イタリア スウェーデン スペイン |
187 |
5 | ノルウェー
イギリス オーストリア ルクセンブルク オランダ ポルトガル アメリカ |
186 |
6 | ベルギー
スイス アイルランド カナダ |
185 |
7 | オーストラリア
ギリシャ マルタ |
183 |
8 | ニュージーランド
チェコ |
182 |
9 | アイスランド | 181 |
10 | ハンガリー
スロベニア マレーシア |
180 |
ビザの取りやすさ
ノービザ入国できない場合はビザを取得する必要があります。その際、日本のパスポート所持者はビザ申請が通りやすいという話もよく聞きます。
ノービザ入国可能な国数は日本が1位でしたが申請での取りやすさは1位とは限りません。
隣り合う国などでは申請が簡単で即発行されることもあるようですが、大抵の場合は申請料を払えば日本人でも普通に取得できます(アライバルビザの場合です)
ただし僕の経験上、各国のビザは日本では取得しにくいこともありました。
超極端な話、アフガニスタンビザやイラクビザなどは日本では絶対に取得できません。でもアフガニスタンビザはタジキスタンに行けば取得できることもあるようです。実際は可能かどうかは現地で確認するしかないです。
この他だとイランビザやミャンマービザも日本では取得できず、イランビザはトルコ、ミャンマービザはタイで取得しています。なお現在ミャンマーは電子ビザも利用可能ですしノービザ入国可能な時期もあります。
もちろん今後はノービザになる可能性もあるので必要なら情報を集めておきましょう(多分イランは無理だと思う)
出入国時や検問でのチェックの緩さ
これもどの国を比較対象にするかにもよりますが、日本人だとサラッと見られるだけで検問を通過できることが多いです。
空港での出入国でトラブルになったことは一度もありません。
でも陸路入国だと色々チェックされることもあります。
僕の場合、ウクライナからモルドバに抜ける時に結構時間を取られました。どうやら日本人が珍しかったので調べたらしいです 苦笑
あと、トルコにいた時にバス移動で何度も検問に会ったことがあります。シリアなどの国境付近を移動していた時は特に多かったですが、時期的に紛争があったりしてピリピリしていたことも関係してたと思います。
乗っていたバスで外国人は僕だけで必然的に目を付けられるのですが・・・、パスポートをチラ見されただけで検問終了でした。
これが日本のパスポートだからなのかは分からないですがそういうことにしておきましょう。
ただし長期旅行で多くの国に行く人以外は実感しにくい
日本のパスポートは色々な面で有利になることも多いですが、そのメリットは長期旅行で多くの国を旅することでしか実感できないものばかりです。
たしかにビザ無し入国は多いですが、そこまで旅行できる人はそうそういないはず・・・。
これが『日本のパスポートは最強』にも関わらず実感できない理由なのかなと思います。
パスポートは最強だが実感できない理由
日本のパスポートは最強と言われているにも関わらず、それを実感できないのにはいくつ理由があるのでは?と思ってます。
そもそも日本人は海外旅行しません。「しない」と言うか「できない」という感じかもしれません。
海外旅行しないならパスポートの利点があったところで何の意味もないですし、そもそもパスポート申請すらしないですよね。
2017年度の外務省旅行統計によると日本人のパスポート保有率は25%程度(4人に1人)となっているようです。
他国の場合だと、例えばアメリカは42%、カナダは66%となっています。なお中国は5%程度と割合は低いですが人口が多いので単純比較は難しく、今後の増加も間違いありません。
でもなぜ他国に比べてパスポート保有率が低いのか?って感じです。
理由は・・・、簡単ですよね。
日本で充分
わざわざ日本を出なくても楽しめる場所はたくさんある!と感じている人は多いような気がします。
確かに日本には色々ありますし楽しい行事も年中ありますよね。車や電車でちょっと出掛けるだけで色々な場所にも行くことができるし、もっと言うと出掛けなくても自宅で楽しめるエンターテインメントもたくさんあります。
それに海外旅行は準備も大変です。
日本は島国なので海外に行くなら飛行機を使うことが大半なはず。陸路で繋がってる国と比べるとしんどく思えます。
僕も飛行機よりバスで国境越えることが多かったです。飛行機はチェックインとか「何時間前に来い」とか面倒なんですよね。
そう考えると日本で過ごすのも悪いことではないのかもしれません。
日本スゴイ思想の充満
日本をやたら崇拝してるテレビ番組って多いと思いませんか?「日本スゴイ!」とか「日本には四季がある」とか。
まぁテレビ番組やCMはそういった点を推して行動を促す目的があるので、視聴者は「日本いいじゃん」となってしまうのかもしれません。
そしたら海外の事なんて頭からどっかに飛んでいってしまうみたいな・・・。
ちなみに僕は四季が苦手です。最近秋を感じられず三季になった気もしますが、気温湿度が高すぎる夏、乾燥しまくりの冬、花粉地獄の春、ジメジメした梅雨はどれもかなりきついです。
雨季乾季だけで充分かも。
時間がない
日本人にとって海外旅行は一大イベントです。しっかり計画を練って充分な時間を確保する必要がありますが・・・、その時間を確保できない人は非常に多い!
まぁ仕事ですよね。
日本人は休みが少なすぎます。仮に休みが多いとしても連休はほどんどありません。
僕は完全週休2日制でしたが連休はありませんでした。
完全週休2日と聞くと「充分じゃん」と思う人がほとんどですが「完全」です。祝日や盆暮れ正月は関係なく仕事だったんです。
そういう人がいる限り海外旅行に行く人が増えることもないですし、そもそもパスポートを取りに行く時間も無いです。
まぁ時間に関しては誰もが持つ悩みで解決は非常に難しい問題でもあります。
お金がない
現実で一番苦しいのはお金の問題です。
海外旅行は本当にお金が掛かります。例えば家族4人でハワイなんかに行ったりすると余裕で100万円レベルのお金が必要になってきます。
シャレにならないですよね。お金は稼いで貯める以外解決方法がないのが現実です。
というかパスポート取得も意外とお金が掛かりますよね。2018年時点での料金は12歳以上10年有効で16000円(+雑費)、4人だとパスポートだけで64000円以上が必要です。
とてもとても・・・って感じです。
初海外旅行する上で一番最初に考えるパスポートでこの値段、いきなり出端をくじかれて嫌になっちゃいますよね。
最強でも使えなければ最弱も同然
日本のパスポートはノービザで世界190ヶ国の訪問が可能で世界最強のパスポートと言われるまでに成長しました。
これは確かに日本が外交努力してきた結果もたらされたものです。でもですよ、そんな価値あるパスポートがあっても使えなければ最弱も同然です。
というか使えるような環境じゃないですよね。
使えないパスポートなのは保有率から見て分かりきったこと。今後はこのパスポートを誰でも自由に使えるようにしてほしいところですね。
皮肉なことに最強だけでなく最弱とも言える日本のパスポート、できるなら最強だけにしてほしいですが期待は薄いです。
だからと言って『海外旅行しない』なんて選択肢を選んでは何も変わりません。現時点は色々やりくりして最弱が気にならないような使い方をしていくしかないかな?と思います。